エイチアールワン株式会社:日本社会全体への貢献へ

三井住友信託銀行、パナソニック、三菱商事、花王の共同出資により誕生した『エイチアールワン株式会社(以下、HRO)』にて、顧客インタビューを実施しました。
人事BPOサービス業界で売上高トップクラスを走るHRO社が、ビジョン・コンサルティング(以下、VC)に支援を依頼した理由等をお聞きしました。
是非、最後まで御覧ください。

背景

幅広く支持される人事給与業務アウトソーシングサービス

 

—広報部(以下、広):HRO社のサービスについて教えていただけますでしょうか。

 

HRO社菅原氏(以下、菅):弊社では、人事給与業務のアウトソーシングサービスを提供しています。

弊社が提供するサービスは幅広い業種のお客様にご利用いただいており、大企業から中小企業まで、約340社40万人の従業員に対して、サービスを提供しています。

 

HRO社岡本氏(以下、岡):弊社が提供するサービスは4つのメニューがあります。

1つ目が給与、年末調整、社会保険等の基本サービスを提供する「ベーシックサービス」。2つ目がシステムと業務の両面からサポートを行う、より包括的なサービスを提供する「スタンダードサービス」。3つ目が従業員との直接対応や福利厚生等のサービスも含めて提供する「フルサービス」。4つ目が人材交流も活用し大企業グループのシェアードサービスを受託する「シェアード一括受託サービス」です。

これら4つのメニューから、お客様の規模やニーズに合わせて、最適なサービスを提供しています。

 

(写真:(左手前)HRO社岡本氏、(左奥)HRO社菅原氏、(右)VC山本氏で対談を行う様子)

 

—広:プロジェクト立ち上げの背景を教えていただけますでしょうか。

 

岡:これまで弊社はお客様に紙ベースでの手作業等現状踏襲型のサービスを中心に提供してきました。しかし、お客様に密着したサービス中心のラインナップであれば、人材不足により、更に多くのお客様にサービス提供することが難しくなります。

そこで、お客様自身がより自立して人事給与業務が行えるよう、お客様、弊社がともにこうした業務の自動化・省力化を推進すべく、新サービスの構築プロジェクトを立ち上げました。

 

菅:また、既存のお客様に密着したサービスの場合、担当者によって品質にばらつきが出ることもあります。この課題を解決するためにも、人に依存しないシステム化を行い、全てのお客様により高品質なサービスを提供することを目指しました。

 

 

 

課題

人材不足に伴う課題

 

—広:弊社依頼時に抱えていた課題を教えていただけますでしょうか。

 

菅:課題は複数ありました。

まず、人材の供給が需要に追い付かず規模拡大が難しいことです。密着型サービスを1社のお客様に導入し、運用するためには、約6カ月間、複数の高スキルメンバーを固定化しお客様を支援する体制を整える必要があります。そのため、多くのお客様にサービス導入することが難しい状況になりました。

次に、システムを運用する知識が不足していることです。弊社が取り組んでいる新サービスは、システムを多く利用するサービスです。しかし、新しいシステムということもあり、社内に新サービスのシステムを理解した有識者が不足していました。

また、弊社の従業員に、新サービスへの移行を理解していただくことも課題でした。既存サービスが多くのお客様から支持されていることもあり、新サービスへの取り組みや移行について、社内で反対の声もありました。更に、既存サービスにおいても人材不足が問題だったことも重なり、新サービスに向けたプロジェクトメンバーを確保することが難しく、プロジェクトは難航していました。

 

 

—広:弊社に依頼したことを教えていただけますでしょうか。

 

菅:課題解決に向けて、VC社の ITコンサルタントに「導入コンサルチーム」へ参画していただき、主に以下3点の支援を依頼しました。

1点目は、提供サービスにおいて、業務運用とお客様の要件をうまく擦り合わせてシステム構築していただくことです。

2点目は、新サービス導入に向けて、有識者の立場から支援いただくことです。新サービスのシステムに関する知識が弊社内で不足していたため、システムの有識者として構築・保守等のサポートを依頼しました。

3点目は、新サービスへの取り組みが円滑に行えるよう支援いただくことです。そのためにまず、有識者の立場から、社員に向けて説明を行っていただき、新サービスを社内で浸透できるよう依頼しました。

 

—広:VCに支援を依頼した理由を教えていただけますでしょうか。

 

岡: VC社は、弊社の文化や状況を理解し、課題解決に向け弊社社員と一緒になって考え、プロジェクト実行完了までサービスを提供していただけると思い、依頼を決めました。

 

菅:他にも、VC社は支援を依頼した際、すぐに優秀な人材を提案いただけた実績もあり、お客様へのサービス導入が決定した際等、適切なタイミングで人材をアサインしていただけると期待できたからです。

また、弊社へのアサインと同時に、即戦力になると思ったことも依頼した理由です。VC社は、弊社の現場に入る前に、弊社の文化や仕事の進め方、システムの使い方などを共有していただけているため、期待できました。

実際、VC社には山本さん以外にも参画していただいていますが、皆様非常に優秀な方で大変驚いています。

 

 

取り組み

多種多様な顧客ニーズに合わせた取り組み

 

—広:実際に弊社と共に取り組んだことを教えていただけますでしょうか。

 

菅:今日までに、VC社と共に取り組んだことは、大きく3点あります。

1点目は、多種多様なお客様の給与計算BPOサービスの新規導入、運用を行うことです。給与計算業務、人事業務の要件定義、データ移行、BPOでの給与計算実施、運用開始のすべての過程で支援いただいています。

2点目は、お客様ニーズに合わせてシステム構築を行うことです。導入する会社の人事規程・給与規程に合わせて給与計算ができるように支援していただきました。お客様の要求を細かくヒアリングし、作成いただけるため、要件定義の段階でしっかりとお客様の意図を汲み取ることができています。

3点目は、サービスの改善です。よりお客様にメリットを出せるようなサービスにするために、システムの改善は勿論のこと、導入していくプロセスの見直し等の改善も支援いただいています。

 

 

利点

VCに依頼して良かったこと

 

—広:弊社に依頼して良かった点を教えていただけますでしょうか。

 

菅:ひとえに優秀な人材が揃っており、支援の質が非常に高いことです。VC社のコンサルタントは、常に弊社社員を上回るパフォーマンスを出していただくことができ、非常に満足しています。

 

—広:他ファームと比べて、良かったと思っていただけている点も教えていただけますでしょうか。

 

菅:求めているスキルは勿論のこと、それ以外のスキルも非常に高いことです。

過去、他ファームさんに依頼した際、例えばシステムや基盤に特化した人材であれば、その分野のスキルは非常に高いのですが、それ以外の分野も併せてタスクを依頼する場合は人材によって質が異なり、期待していた成果を出していただけないこともありました。

一方、例えば、VC社山本さんの場合、新しいお客様にサービスを導入する支援も依頼しています。そのため、システムのスキルだけでなく、弊社のお客様に寄り添った対話をしながら要件を決めていくことも求めており、その点に関しても力を発揮していただくことができています。VC社はコンサルティングファームとしての力量があり、他ファームにはない、一気通貫したスキルを発揮いただいております。

 

 

 

—広:本プロジェクトに取り組む上で、山本さんが期待されていたことを教えていただけますでしょうか。

 

VC山本(以下、山):システムの有識者として支援することと、給与計算の知識を身に付けて支援すること、HRO社の状況や文化を理解し、プロジェクトを推進していくことです。

 

—広:期待に応えるために行ったことを、教えていただけますでしょうか。

 

山:行ったことは主に3点あります。

1点目は、分かりやすい説明を行うことです。新サービスについて、社内での理解を浸透させる際、システムを利用したことが無い人にも理解していただける説明を行うことを心がけました。

2点目は、勉強することです。特に、給与計算については、勉強すること前提で期待されていたため、様々な媒体で人事業務、給与計算業務を勉強し、HRO社の期待に沿って努力しました。

3点目は、HRO社社員とより多くのコミュニケーションをとることです。プロジェクトの推進では、検討、課題といったアクションが多岐にわたるため、HRO社の社員と密にコミュニケーションを取ることで、期待に応えました。

 

菅:VC社であれば、任せられる、期待できるという信頼があります。山本さんには、お客様から情報をもらい、どのように進捗管理をしていくか等、プロジェクトの根幹となる重要な役割を担当していただいています。

他ファームでは、自分がやるべきところとそれ以外を線引きし、やるべきこと以外は関与しないことが多いです。しかし、山本さんや VC 社メンバーは、自分たちのやるべきこと以外についても、弊社にとって必要なことであれば、率先して取り組んでいただいています。そのため、期待以上のパフォーマンスを発揮していただけています。

また、VC社は、メンバーですり合わせた上で、システム改修からリリースまで包括的に支援いただけるため、非常に有難いと思っています。

 

 

—広:山本さんから見た本プロジェクトの魅力を教えていただけますでしょうか。

 

山:魅力はたくさんありますが、今回は3点あげます。

1点目は、本プロジェクトに取り組むことで専門性の高い知識が得られることです。人事給与業務は、どのような企業においても必ず存在する業務であり、専門性が求められる仕事です。この部分を深く理解し、多様化や効率化を常に意識して日々仕事をすることは、どの企業でも生かすことができるノウハウになると思っております。本来競争分野でない人事給与業務をHRO社に委託することで本業に人的資源を投入できることに貢献する、ひいては日本社会・日本経済の発展へと貢献できるのではないかと考えています。

2点目は、多様性を自然に受け入れていることです。HRO社は他社での業務経験をされた方も多く、「えるぼし認定」「くるみん認定」を取得した企業であり、女性活躍推進にも力を入れています。そのため、社外のメンバーや性別等、バックグラウンドに関係なく、あらゆる立場の意見を受け入れる環境があります。また、育児や介護と両立して働かれている方も多く、みんなで助け合おうという空気があるため、働きやすい環境が整っています。

3点目は、人が魅力的であることです。プロジェクトでは大変なこともありますが、成果が出たとき等に、プロジェクトメンバー同士感謝を言い合っています。感謝を言葉にすることで、ポジティブな気持ちで日々仕事に取り組むことができています。

 

岡:弊社では、女性社員が約75%、管理職に占める女性の割合が約50%であり、女性活躍を推進しています。また女性だけに限らず、家庭環境等に左右されず、働き続けられるような仕組みを整えています。

 

菅:日本経済の発展に貢献できる点については、弊社のサービスは、「法令に準拠したどの企業にとっても必要不可欠なものだが、どの企業も内容がほぼ変わらない部分」をアウトソーシングしています。そのため、弊社が企業のインフラ部分を引き受け、お客様をサポートすることで、会社の競争力を高めるための仕事に専念することができ、結果的に日本経済全体の発展に貢献できるという考えがあります。

 

山:魅力的な本プロジェクトに携わることができ、私自身日々やりがいを感じながら仕事に取り組めています。

 

 

今後の展望

業界全体の成熟に向けて

 

—広:今後の展望について教えてください。

 

岡:1点目は、新サービスを活用し、より多くのお客様にサービスをご利用いただきたいと思います。

弊社は、国内売上で見ると業界トップクラスですが、米国など世界と比較するとまだまだ規模が小さいです。実際、日本には労働者が約7,000万人いると言われており、潜在的には、人事BPOサービスは約1兆円のマーケットがあると言われています。しかし、現状は主要BPO各社の売上を合わせても10%に届かない規模です。そのため、日本の人事BPOサービスのマーケット拡大のために継続して安定的にサービス供給できるよう弊社も貢献していきたいと思っています。

2点目は、多様化するお客様のニーズに対応していくことです。

一例として、企業活動のグローバル化により、日本法人向けのサービスをシンガポールの人事部門向けに提供するケースもでています。海外マーケットは日本より大きいことに加え、弊社のサービスは海外の人事BPOサービスを展開する他企業のサービスより、きめ細かいサービスが提供できていると考えています。実際、現在取引している海外のお客様からは、その品質について非常に良いと評価をいただいております。その他にも、多様なお客様のニーズに即したサービスを絶えずブラッシュアップしていくことが必要です。

3点目は、BPO業界全体の健全な成長に貢献することです。

人事BPOサービスを提供する企業は増えてきていますが、サービス内容や品質にはまだばらつきがあり、お客様にとって正しい選択ができていないケースも散見されます。そのため、人事BPOサービスを利用したいと思っているすべてのお客様が満足できるように、サービスに関する情報をわかりやすく表示するなどし、より自社に適合した人事BPOサービスを選択し利用できるよう、貢献していきたいです。

 

 

—広:今後の展望を実現していくために、VCに期待することを教えていただけますでしょうか。

 

菅:今後も優秀な人材による質の高い支援を期待しています。今は、次年度以降に向けて新サービスを準備しているところで、更にスピード感を上げて取り組みたいと思っています。そのため、社内で人材を確保することが難しいときや、弊社が担いきれない部分があるときには、VC社の優秀なメンバーに多大な支援を行っていただくことを期待しています。

 

—広:最後に山本さんの意気込みを教えていただけますでしょうか。

 

山:HRO社で、やりたいことや成し遂げるべきことが毎月増えるため、まずはそれぞれを着実に進めて、成果をあげたいと思います。そして、今後もHRO社の人事BPOサービスの一層の発展に貢献し、メンバー全員と協力して目指す姿実現に向け、全力で取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

(※)本記事に掲載されている情報(サービスの内容など)は、取材時の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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