株式会社イーウェル:ウェルビーイング実現へ

今回は、ウェルビーイング実現に向けてDXでサービスを刷新する『株式会社イーウェル(東急不動産株式会社のグループ会社)』様で、第1回目の顧客インタビューを行いました。

目標

DXで経営理念「健康社会の実現」へ

—広報部(以下、広):まず、株式会社イーウェル様(以下、イーウェル)の目指す姿を教えていただけますでしょうか。

イーウェル、濱田様(以下、濱):私たちの目指す姿は経営理念でもある「健康社会(※1)の実現」です。

具体的には、我々のお客様である法人や事業主、団体等、組織の皆様、そしてサービスを利用していただく従業員や組合員の方皆様が、心身ともに健康で社会的にも満たされたウェルビーイングが実現されている社会を目指しています。

※1:「健康社会」は、株式会社イーウェルの登録商標です。

—広:イーウェル様の考える「ウェルビーイング」を教えていただけますでしょうか。

濱:イーウェルでは、WHOや経済産業省等が公表している国内外の公的機関の定説や、学術機関との共同研究の結果により、①プライベート②心と身体③生活習慣④仕事⑤経済状況の5つの要素が満たされた状態のことを「ウェルビーイングな状態」と提唱しています。具体的に、①プライベートでは、余暇時間が長さ・質共に満足し、家庭・ライフイベントが充実していること。②心と身体では、身体的・精神的に健康で、毎日思ったように行動できるエネルギーがあること。③生活習慣では、バランスの取れた食生活や適度な運動、十分な睡眠時間等が取れていること。④仕事では、仕事や私生活でのキャリア構築に満足できていること。⑤経済状況では、報酬を得る手段があり、報酬に納得し、資産管理ができていることです。

—広:「ウェルビーイング」を実現するために取り組んでいることは何ですか?

濱:これからの健康のあり方となる、個人と組織の「ウェルビーイング」を実現するために、「人も企業もウェルビーイングへ」をキーワードに、「WEL-UP(※2)」というサービスコンセプトを始めました。これまでは、WELBOXやKENPOS等サービス単位でお客様にご紹介させていただいていましたが、「WEL-UP」というコンセプトのもと、お客様にプラットフォームとしてサービスを提供し、ウェルビーイングの推進を行っています。

※2:「WEL-UP」は、「ウェルネス」「ウェルフェア」そして「ウェルビーイング」それぞれの「ウェル」をアップ(向上)させていくことを表しております。株式会社イーウェルの登録商標です。

—広:イーウェル様ではどのようなサービスを展開されていますでしょうか。

濱:大きな分類で、「福利厚生サービス」と「健康支援サービス」の2つを展開しています。

—広:具体的に、「福利厚生サービス」の内容を教えていただけますでしょうか。

濱:我々が今提供しているメイン商品は、WELBOXです。WELBOXでは、旅行等余暇を充実させる取り組みや、自己啓発を促す取り組み、介護や育児、女性の活躍等多様なニーズに合わせられるように、網羅的な割引サービスを行っています。

様々な企業の方に導入いただくサービスですので、お客様の特色や要望に合わせてカスタマイズし、商品をご提供させていただいています。

また、「カフェテリアプラン」というサービスも提供しています。これは、お客様が従業員に福利厚生費としてポイントをお渡しし、従業員が自分のニーズに合わせてポイントを使って頂けるサービスです。

他にも、財形・持株会・共済会・マッチング拠出の運営支援をさせていただいています。独自で運営すると労力がかかるものも、BPOサービスを通じて、業務プロセスの削減や効率化ができるように支援しています。

—広:御社の「福利厚生サービス」のメイン商品であるWELBOXは「BtoBtoC」という形態でしょうか。

濱:はい。WELBOXは「BtoBtoC」という形態で、直接のお客様は法人で、個々のサービスは法人の従業員の方々が利用しています。

—広:「健康支援サービス」についても、具体的な内容を教えていただけますでしょうか。

濱:「健康支援サービス」では、健康診断事務代行サービスを行っています。イーウェルでは、独自に全国約3000の健診機関と提携し、健診全てのプロセスを請け負うサービスを展開しています。

また、「BtoBtoC」のCの方に使っていただく「みんなの健康応援サイト・KENPOS」というサービスがあります。これは日々の行動を記録でき、行動実績等に合わせてポイントが付与されるサービスです。例えば、各団体様にウォーキングキャンペーンを実施していただき、順位を可視化し、実績に合わせてポイントを付与することで日々の健康づくりの活動を支援する仕組みになっています。そして、貯まったポイントで商品と交換いただける仕組みを用意しています。

B向けでは、健康経営(※3)の推進支援サービスをしています。PDCAを回していく実行計画を立て、健康経営の推進支援をしています。

他にも、健保設立のコンサルティング等のサービスも提供しています。

※3: 「健康経営」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

—広:「福利厚生サービス」と「健康支援サービス」を通して、お客様がどのような姿になることを目指されていますでしょうか?

濱:お客様の従業員が健康になり、会社全体が健康優良な企業になることを目指しています。そして、地域社会、ひいては日本社会全体が健康な社会になればと思っています。

—広:お客様の会社全体が健康優良な個人、組織になり、日本全体が良くなることを目指されている理由を教えていただけますでしょうか。

濱:経営理念やウェルビーイングの実現に近づけると考えているからです。

私たちは、健康社会の実現という理念のもと、「人の健康が企業を動かす」「企業の健康は未来を動かす」というテーマに対して、真摯に向き合い続けています。イーウェルの「福利厚生サービス」や「健康支援サービス」を通して、人々の健康やウェルビーイングが実現され、これが持続可能なものとなるように、お客様の支援を担っていきたいと考えています。

—広:経営理念やウェルビーイング等の達成に向けて、どのような課題がありましたでしょうか?

濱:システム面での課題がありました。そのため、DXによるユーザーの利便性向上や、サービスの刷新をしていく必要がありました。そして、私たちは経営理念を実現するために、ITやAI技術を使って、お客様に新しい付加価値の提供を目指しました。

写真:(左)イーウェル部長、濱田光治氏(右)ビジョン・コンサルティングコンサルティング部、友枝周亮氏

依頼時

サービス刷新に向けての課題

—広:弊社への依頼時の状況を教えていただけますでしょうか。

濱:御社への依頼時、5点ほど課題がありました。

1点目は提案方法です。お客様の課題に対してイーウェルが持つソリューションがどう役に立ち、どのような効果が得られるかだけでは、部分的な話にしかなりません。そのため、これらに加え、お客さまが重要視されていることに合わせて全体的なストーリーを作る必要がありました。ここは今も試行錯誤しています。

2点目は、システム面での課題です。当然時間が経てばシステム面での課題が出てくることは常なので、今の時代に即して、サービスを刷新し、ユーザーの利便性を向上させる必要がありました。

3点目は、計画づくりでの課題です。様々なアイディアは出ていたものの、実施方針や目標値が明確になっておらず、計画づくりの検討で困難を極めていました。

4点目はITとビジネス両方の視点を持つ人材がいなかったことです。IT知見を持つ者と、ビジネス視点を持つ者がバラバラで、両者のつなぎ役がいませんでした。その結果、ビジネス視点を持つ者とIT知見を持つ者の間にギャップが生じてしまい、結果的に成果物に影響が出てしまうことがありました。

5点目は他社との差別化が難しいという課題です。他社と価格競争をするのではなく、サービス面で競争できるように、他社にはないサービスを入れる必要がありました。

—広:弊社にこれらの課題解決を依頼した理由を教えていただけますでしょうか。

濱:理由は3点あります。

1点目は、過去にIT企画本部で上流コンサルティングとして支援実績があったからです。当時の実績をふまえて、ビジョン・コンサルティングさんに課題解決をしていただけないかと相談しました。

2点目は、ビジョン・コンサルティングさんに相談したところ、こちらの依頼事項に対して、最も適切な回答をいただけたからです。

3点目は、ITとビジネス両方の視点を持ち、我々の活動をサポートしていただける方をご紹介いただけたからです。他ファームですと、システム課題を解決していただける方と、ビジネス要件を整理し、課題を整理していただける方の2名、入れる必要がありました。これら2つを同時にできると言っていただけたのは、ビジョン・コンサルティングさんだったため、依頼することを決めました。

—広:友枝さんがイーウェル様に参画されたのはいつでしたか?

ビジョン・コンサルティング、友枝氏(以下、友):私が、イーウェル様に参画したのは、2020年でした。

濱:2020年に元々プロジェクトとして動いていたグランドデザインプロジェクトが組織化され、スピードを上げてWELBOXサービスの刷新に取り組むことになりました。

企画検討を行い、ある程度どのような形が良いかを構築しましたが、実際具体的にどう形に落とし込んでいくかや、ITとビジネス両方の視点を持つ人がいない等の課題があり、友枝さんに2020年~参画していただいています。

—広:友枝さんがイーウェル様から期待されていたことは何ですか?

友:一番は、ITとビジネス両方の知見を活かして支援を行うことです。

一般的に、ITコンサルはシステム開発の企画を行います。しかし、イーウェル様の場合はWELBOXというサービスをどうするかという企画の中に、システム開発が入っていました。そのため「どのようなシステムのサービスだと、どのくらいの投資対効果が見込めるか」や、「ITとビジネス両方の視点から具体的な実施方針・目標値などを明確にし、計画策定を行うこと」「IT知見者としてエンジニアとの橋渡しを行い、ギャップを埋めること」等が期待されていました。

依頼後~現在

ITとビジネス両方の視点を活かした支援

—広:弊社のメンバーである友枝さんはどのような支援を行ったか教えていただけますでしょうか。

濱:友枝さんには、ITとビジネス両方の視点を活かして、支援を行っていただきました。具体的には、グランドデザインやロードマップの策定支援、データベースのコンセプト定義や整備計画の策定、要求事項の整理や進め方の検討支援、サービス企画業務で必要な収支計画の立て方、上位層向けドキュメントの作成等、担当していただきました。

また、システム開発側のつなぎ役も行っていただきました。そのことで、システム開発側の主張が正しいかを判断することができるようになり、システム開発側とうまくコミュニケーションをとりながら、プロジェクトを実行していけるようになりました。

—広:現在友枝さんが行っている支援を教えていただけますでしょうか。

濱:現在は友枝さんと策定したグランドデザインやロードマップを元に、計画が進められるようにプロジェクトを実行しています。また、様々な要因で微調整が必要になってくるため、プロジェクトの状況に合わせて計画の再検討を行っていただいています。今は蓄積したデータの活用方法について、具体的な計画を検討しています。他にも、個々のプロジェクトの企画や、立ち上がった複数のプロジェクトの実行支援をしていただいています。

利点

ビジョン・コンサルティングに依頼して良かったこと

—広:実際、弊社に依頼して良かった点を教えていただけますでしょうか。

濱:良かった点は、4点あります。

1点目は、ITとビジネス両方の知見を活かした支援をしてくださったこと。2点目は、施策の実現方法を明確にしてくださったこと。3点目は、その時々の環境変化や方針変更等に合わせて対応してくださったこと。4点目は、弊社が意図していた以上の成果を出していただけたことです。実際「これもやるの?」と思われることもあると思いますが、依頼事項を全て行っていただくことができ、本当に幅広く支援していただきました。プラットフォームをどうしていくかという「提案」から、立ち上がったプロジェクトの「実行支援」までワンストップでサービスを提供していただけています。アウトプットも含めて、本当に我々だけではできないようなところも、行っていただきました。特に、ビジョン・コンサルティングさんのアウトプットは、誰もが「これは良くできているな」と思っていただけるものを出していただけています。友枝さんが加わったことで、効果の高い施策を行うことができ、助かっています。

また、実務以外でも、直接的でないにせよ、人材育成の点で意図していた以上の成果があり、驚いています。友枝さんが、様々な手本を見せてくださるので、メンバーがそれを見て、このやり方が良いのだなと学ぶことができ、教育効果に繋がっています。

友:ありがとうございます。

人材育成の点は、私自身意識して行うようにしています。私はイーウェル様の従業員ではないのでずっと居続けることはできません。そのため、私がいなくなった後も御社にプラスの遺産が残ると良いと思って、日々仕事に取り組んでいます。そのため、プロパー社員がどうすれば良いか分かるように話したり、ドキュメントを残したりすることを大切にしています。

実際、他の部署で私が作ったスケジュールの雛形が出てきたことがあり、活用していただけているのを見て、嬉しく思いました。

濱:良いところは他部署でも使っていけるので、本当に助かっています。

—広:友枝さんが仕事をする際に、心がけていることはありますか?

友:私はイーウェル様の従業員ではないことを強みに、他社、他業種で培ってきた様々な経験を元に、情報提供することを心がけています。情報提供をすることで、イーウェル様も疑似体験ができ、今行っているやり方の答え合わせができます。また、もっと良いやり方を提案することができ、結果的に良い方向にプロジェクトを進めていくことができます。情報提供を通して、視野を広げる支援を行うことも役目だと思っておりますので、この点心がけています。

また、イーウェル様の従業員ではないとはいえ、常にイーウェル様のビジョンを意識して支援しています。具体的には、目先の予算や、開発の都合等に流されすぎないように気を付け、目標を実現するためにどうすれば良いかを考えています。求められていることはHowかもしれませんが、Whyを常に考えて、それを実現するためにHowがあるというやり方で、支援することを常に意識しています。

—広:友枝さんはビジョン・コンサルティングの従業員として、イーウェル様に貢献できて良かったことを教えていただけますでしょうか。

友:自分の知見を活かしつつ、イーウェル様のお役に立てるということに非常にやりがいを感じています。

今後の展望

ウェルビーイングの実現に向けて

—広:イーウェル様の今後の展望を教えてください。

濱:今後は、「ウェルビーイングといったらイーウェル」と思っていただけるように、サービスの拡充を行い、ユーザーの皆様が「利用したい」と思えるサービスを提供していきたいと思っています。

経営理念である「健康社会の実現」に向けて、ゆくゆくは「あったらいいな」から「なくてはならない」存在になれるよう、ユーザー皆様のサポートを行います。

そして、世の中の企業に勤める方の健康維持・向上に寄与できればと思っています。

—広:最後に友枝さんの今後の意気込みを教えていただけますでしょうか。

友:業務面で価値を出すことは勿論のこと、一緒に仕事をさせていただいている方々の「仕事のウェルビーイング」にも貢献していきたいです。私自身「ウェルビーイング」は素晴らしい考え方だと思っておりますので、イーウェル様とのお仕事で関わる方々のウェルビーイングが実現出来るように、今後も頑張っていきたいと思います。

成功事例一覧に戻る