大手製造企業SCPシステム導入でカーボンニュートラルに貢献

サプライヤの体制の見直し、と情報のリアルタイム連携を可能とするSCPの構築を支援し、カーボンニュートラルに貢献した。

背景

政府の宣言を受けカーボンニュートラルの達成をすべく、ある大手製造企業が業務の効率化を行うプロジェクトに着手した。

気候変動問題(注1)は、私たち一人一人、この星に生きる全ての生き物にとって避けることができない、喫緊の課題である。気候変動は全ての大陸と海洋にわたって、自然及び人間社会に影響を与えており、温室効果ガスの継続的な排出により、人々や生態系にとって深刻で広範囲にわたる不可逆的な影響を生じる可能性が高まると言われている。そこで地球温暖化に歯止めをかけるべく、政府は2050年までに温室効果ガスの排出(※人為的なもの)を全体としてゼロにするカーボンニュートラルの達成を宣言した。

政府の宣言を受け、企業としてカーボンニュートラルの達成に寄与すべく、空調・化学・フィルタ事業を担う大手製造企業がプロジェクトに着手した。その大手製造企業では、下記観点でカーボンニュートラルの達成に貢献することとした。

  • 1.業務の無駄を省き、事業で生じる余分な温室効果ガス排出を削減する
  • 2.環境にやさしい空調・科学・フィルタ製品を安定的に供給することで、温室効果ガス排出の削減に貢献する

そして、実際にカーボンニュートラルへ貢献するために、具体的な業務分析を行った。

課題

非効率なサプライチェーンマネジメントによる工数の肥大化や商品供給の不安定化を解消するため、SCPシステム(サプライチェーンプランニングシステム)を導入する必要がある。

カーボンニュートラルへの貢献に向けた業務分析の結果、大手製造企業ではサプライチェーンに大きな問題があることが判明した。現状、サプライチェーンでは生産・営業・物流各部門で分断された情報を、人手で調整せざるを得ない状況であったため、非効率なサプライチェーンマネジメントによる工数の肥大化が発生していた。また、労働者不足による商品供給の不安定化も併せて生じていた。したがって、サプライチェーンマネジメントの改革が急務であった。

そこで、サプライチェーンマネジメントの改革に向けて、大手製造業では全サプライチェーン情報を一括管理し、相互影響を可視化するサプライチェーン・プランニングシステム(SCPシステム)を導入することとなった。

取り組み

PMOとして全体マネジメントのサポートという役割で、全サプライチェーン情報を一括管理し、相互影響を可視化するSCPシステムの導入支援を行う。

大手製造企業におけるSCPシステムの導入に対し、全体マネジメントのサポートという役割で下記の支援を行った。

  • 1.課題特定・改善案策定・顧客提案
  • 2.プロジェクト全体のPMO支援
  • 3.BPR   各チーム共有/SCMモデル整備支援
  • 4.関連部門との要件検討調整支援

成果

SCPシステムを用いて業務を効率化し、事業で生じる無駄な温室効果ガス排出削減と、環境にやさしい製品の安定供給を行うことで、カーボンニュートラルに貢献する。

全サプライチェーン情報を一括管理し、相互影響を可視化するSCPシステムの導入により、日々発生する膨大な情報の一元化および、リアルタイムな情報連携が可能となる。その結果業務効率化が図られ、業務の無駄がなくなり、労働力不足による商品供給の不安定化が解消される。
これらの問題が解消されれば、事業で生じる無駄な温室効果ガスの削減および、環境にやさしい製品の安定供給による温室効果ガス排出の削減が期待できる。そしてその結果、カーボンニュートラルへの活動が推進され、地球温暖化の解消に寄与することができる。

参考文献
(注1)首相官邸「地球温暖化対策計画」
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/ondanka/kaisai/dai48/pdf/keikaku_honbun.pdf

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