背景
同業他社と比較してDX推進が遅れていることによって、市場競争力の低下が見られている。
企業がデジタル技術を活用し、業務プロセスの改善だけでなく、組織、企業文化、風土をも改革し、ビジネスモデルそのものを変革することで市場競争上の優位性を確立する、DX(※デジタルトランスフォーメーション)に注目が集まっている。
DX推進は多くの企業で課題となっており、この課題を解消できない企業の市場競争力の低下によって、2025年以降、最大で年間12兆円もの経済的損失をもたらす可能性があると指摘されている。(※通称2025年の崖)
今回依頼があった企業においても、同業他社と比較してDX推進が遅れていることによって、市場競争力の低下が見られていた。それを改善すべく、また、市場での優位性を確立するために、早急なDX推進による組織改革が必要となった。
課題
DX推進において同業他社よりも先行し、市場競争力を向上させるために、部門を横断しての組織改革を行う。
市場競争力の低下によって、以下の課題が顕在化している。
- 1.一部事業の営業利益が過去数年間継続して赤字となっている。
非効率的な運用や、体系化されていない業務によって、生産性の高い業務に割くべき時間が十分に確保できていない。業務を見直し、より生産性の高い業務に注力できる環境を構築する必要がある。 - 2.マネジメント人材、デジタル人材の不足、人材の流出が発生している。
マネジメント手法が確立されていないことや、デジタル人材に明確なキャリアパスが用意されていないことでより先進的な取り組みを行っている他社へと転職してしまうケースが見られる。マネジメント手法の見直し、キャリアパスの構築を行い、人材の流出を防ぐ必要がある。 - 3.システム部門内でのナレッジが不足している。
業務の属人化によって、マネジメント手法や業務ナレッジが蓄積されず、問題解決能力が低い。ナレッジを蓄積・共有し、組織全体で問題・課題に対して継続的に改善を行う文化を根付かせる必要がある。
これらの課題を解決し、DX推進において同業他社よりも先行することで市場競争力を向上させる。
以上の目的を達成するために、DX戦略の計画立案から、部門を横断しての組織改革を行うまでをビジョン・コンサルティングにて支援する。
取り組み
DX戦略の計画立案から、組織改革後の定着までの一連の支援を行う。
本案件では、前項での課題に対し、以下の取り組みを行う。
- 1.一部事業の営業利益が過去数年間継続して赤字であること。
対象事業の営業部門・コールセンター部門の業務手続き、運用方法の見直しを行い、業務を効率化。 - 2.マネジメント人材、デジタル人材の不足、人材の流出が発生している。
マネジメント手法の確立、およびデジタル人材向けキャリアパスを構築。 - 3.システム部門内でのナレッジ不足。
マネジメント・業務ナレッジの蓄積、定着や、ITIL(※ITサービスマネジメントにおけるベストプラクティスをまとめた書籍群)の導入。
また、これらの取り組みに加え、DX戦略の計画立案、DX推進後のIT-BCP(注1)企画、プロジェクト全体のマネジメント業務をビジョン・コンサルティングにて支援。
各取り組みの概略図としては以下の図の通り。

成果
DX推進による組織改革を行うことで、市場競争力は向上し、市場での優位性を確立することができる。
DX戦略の計画立案から、組織改革後の定着までの一連の取り組みを行うことで、以下のような効果が期待できる。 1. 業務の効率化によって、より生産性の高い業務に注力できる環境が構築され、営業利益が向上する。 2. マネジメント手法の確立や、キャリアパスの構築によって自身に期待される役割が明確化し、モチベーションが向上することで人材流出のリスクが下がる。 3. ナレッジ、ベストプラクティスを蓄積・共有することで、組織全体で問題・課題に対して継続的に改善を行う文化が根付く。 また、同業他社と比較してDX推進が先行することで市場競争力の向上、市場シェア拡大に資する組織となり、市場での優位性を確立することが可能となる。
