GPT-6.1 Solは、コードの作成やアプリの操作、資料づくりを支援するOpenAIのAIモデルです。OpenAIは、上位モデルのGPT-6 Astraに近い性能をより低い費用で使えるモデルと位置付けています。
こんなときに役立ちます
新しいSolに切り替えるか、Astraと使い分けるか。できること・変わったこと・費用を確かめたい方に向けた記事です。
- 旧Solから切り替えてよいか、判断の材料が足りない
- Astraとの差が、性能と費用でどれくらいか分からない
- 定額プランとAPIの課金の違いを確かめたい
GPT-6.1 Solとは?何ができるモデル?
GPT-6.1 Solは、文章や画像を読み取り、資料づくりや開発を支援するAIモデルです。OpenAIは、財務資料から説明資料を作る仕事を活用例に挙げています。製品概要からWebサイトを作る仕事も、その一例です。
- 既存のコードを理解して直す。新しくコードを書くほか、既存のコードを調べます。バグの修正や大きな変更を進めます。
- 複雑な資料を読み、業務を進める。表やグラフ、細かな注記があるPDFを読み取ります。複数のツールを使い、営業・財務などの業務を進めます。
- 画面を操作して作業を進める。ブラウザーや業務アプリの画面を見ます。クリックや入力を重ね、複数の手順を進めます。
複数の手順を任せる仕事では、使えるツールと完成条件をそろえると、成果を確かめやすくなります。
例えば、財務資料の表やグラフを読み取り、要点を説明資料にまとめる使い方が考えられます。資料を正しく理解する能力と、PowerPointなどのファイルを作る機能は別です。ファイルを作れるかどうかは、利用するアプリやツールによって異なります。
一度に扱える情報量
長い資料を扱う際の目安が、一度に読み書きできる情報量(容量)です。AIが情報を処理する単位を「トークン」といいます。入力と出力の合計の上限であるコンテキストは1,050,000トークンです。最大出力は128,000トークンです。
一度に渡せる資料が長くても、作る説明資料の長さは別に指定できます。資料を読み込む容量と、生成する量を分けて考えます。
長い資料や作業の履歴は、この容量の中で扱います。トークン数は文字数と一致しないため、そのまま日本語の文字数に換算することはできません。
モデル自体は文字と画像を受け取り、文字で答えます。画像を生成したり画面を操作したりする仕事は、対応するツールと連携して進めます。
対応するツールには、Web検索、ファイル検索、コード実行、画面操作があります。画面操作では、操作方法を文章で答えるだけでなく、連携した環境で実際にクリックや入力を行います。利用できるツールはアプリやAPIによって異なります。
GPT-6.1 Solは、コードの作成・修正や資料の読み取りを任せる候補です。画面操作を含む複雑な仕事も、費用を抑えながら進められます。
旧GPT-6 Solから何が変わった?
OpenAIは、新しいSolがコード作成や画面操作などでAstraに近い性能を持つと説明しています。容量や通常入力・出力の単価は旧GPT-6 Solと同じです。キャッシュ入力の単価と推論の強さは変わりました。
表のAPI料金は、100万トークン当たりの単価です。標準のStandard処理で、入力が272Kトークン以下の場合に当てはまります。「K」は千を表します。
| 項目 | GPT-6 Sol | GPT-6.1 Sol |
|---|---|---|
| コンテキスト(トークン) | 1,050,000 | 1,050,000 |
| 最大出力(トークン) | 128,000 | 128,000 |
| 通常入力(ドル/100万トークン) | 2 | 2 |
| 出力(ドル/100万トークン) | 10 | 10 |
同じ資料を繰り返し渡す仕組みでは、キャッシュ入力の変更が費用に効きます。APIでnoneを指定していた仕組みでは、設定の変更も必要です。
キャッシュは、一度処理した資料や指示を保存して再利用する仕組みです。同じ資料を繰り返し使う仕事では、再利用できた入力の料金を抑えられます。キャッシュを使わない通常入力や出力の単価は変わりません。そのため、利用料金の総額が半分になるわけではありません。
OpenAIは、実際のコードを使う開発や、複雑なPDFの理解でも旧Solからの改善を報告しています。手順の長い画面操作も改善した評価の一つです。
推論の強さは、回答する前にどれだけ深く考えさせるかを選ぶものです。GPT-6.1 SolのAPIはlow、medium、high、xhigh、maxに対応します。既定(指定しない場合の設定)はmediumです。noneとminimalに対応しないことは、公式仕様に明記されています。旧GPT-6 Solではnoneも選べます。
APIで旧Solのnoneを使っていた場合は、切り替えと同時に推論の強さも変更する必要があります。
性能は?旧Solや主要モデルと比べる
第三者機関Artificial Analysisの総合評価では、新Solは旧Solを上回ります。Astraに近い総合指数と、評価課題を解く費用の低さが特徴です。ただし、評価別の成績と速さには差があります。
総合指数は、仕事・開発・推論など複数の評価をまとめた指標です。高いほど成績が良いことを示します。1つの課題の費用は、複数の評価を実行した際のAPI料金を重みづけして平均した値です。月額プランの料金とは別の値です。
| モデル | 総合指数 |
|---|---|
| Claude Opus 5.5 | 58 |
| GPT-6 Astra | 53 |
| Claude Fable 5.1 | 53 |
| GPT-6.1 Sol | 52 |
| GPT-6 Sol | 48 |
| Grok 4.7 | 46 |
総合指数が近いモデルでも、得意な課題は異なります。仕事に近い評価を見てから候補を絞ります。
| モデル | 1つの課題の費用(ドル) |
|---|---|
| Claude Opus 5.5 | 5.98 |
| GPT-6 Astra | 3.26 |
| Claude Fable 5.1 | 7.63 |
| GPT-6.1 Sol | 0.72 |
| GPT-6 Sol | 1.04 |
| Grok 4.7 | 3.74 |
新Solの0.72ドルは、ここに並べた主要モデルの中で最も低い値です。難しい課題での成績と合わせて、費用の差を判断できます。
測定時の推論の強さは、新旧SolとAstraがmaxです。OpusとFableは「Max, Default Fallback」、Grokはxhighで測っています。各社で設定の意味は異なります。この総合指数だけでは、日本語の資料やPowerPointの仕上がりを判断できません。
Terminal-Bench 4.0は、端末を操作して開発課題を解く評価です。旧Solの44%から新Solの56%へ上がりました。一方、科学計算のコードを書くSciCodeは58%から54%へ下がっています。SciCodeは、測定元が見直し中と表示している評価です。
Astraとの個別評価も比べます。新Solが上回ったのは、業務課題を解くGDPval-AAと、長い資料を理解するAA-LCRです。業務の自動化や開発課題、科学計算などではAstraが上回りました。
出力の速さは、旧Solより下がっています。2026年10月5日の計測では、新Solは毎秒56トークン、旧Solは107トークンです。文字を生成する速さが約半分という結果で、仕事全体の所要時間とは別の指標です。
OpenAIは、データ分析やシミュレーションなどの科学的な作業でも改善を報告しています。事実の正確さについても、旧Solより良い結果を示しています。科学的な作業は、推論の強さを最大にした評価です。事実性は、誤りが出やすい質問を集めた評価です。SciCodeとは、課題も測定方法も異なります。
総合指数だけで選ぶより、自分の仕事に近い課題での評価結果を見る方が役立ちます。手直しにかかる手間も、選ぶ基準に入ります。
製品概要から作るWebサイトなら、必要な機能が動くかで成果を比べます。財務資料から作る説明資料なら、数値・期間・単位が原資料と一致するかで比べます。
OpenAIの画面操作の評価でも、最大の推論の強さではAstraが上回っています。OSWorld 2.0での差は2.1ポイントです。難しい科学的な作業でも、同社はAstraが最も高い成績だったと説明しています。
OpenAIは、最も難しい仕事にはAstraを、費用を重視する複雑な仕事にはGPT-6.1 Solを検討するよう案内しています。
価格はいくら?定額プランとAPIの違い
料金は、月額を払う定額プランと、使った量に応じて払う従量課金に分かれます。ChatGPTアカウントなら、定額プランの利用枠を使います。APIキーなら、APIの単価に応じて支払います。
ChatGPT Plusの公表料金は月額20ドルです。Proには月額100ドル、200ドル、500ドルのプランがあり、利用量に応じて選べます。
Businessは2名以上、年払いの場合に1人当たり月額20ドルです。月払いは1人当たり月額25ドルです。EnterpriseとEduの料金は営業への問い合わせが必要です。
APIの単価は、100万トークン当たり通常入力2ドル、キャッシュ入力0.10ドル、出力10ドルです。標準のStandard処理で、入力が272Kトークン以下の場合の料金です。
同じStandard条件では、新Solの通常入力・出力の単価はAstraの0.2倍、つまり5分の1です。作業全体の請求額は、それぞれのモデルが使った情報量にも左右されます。
| モデル | 通常入力 | 出力 |
|---|---|---|
| GPT-6.1 Sol | 2 | 10 |
| GPT-6 Sol | 2 | 10 |
| GPT-6 Astra | 10 | 50 |
文章を長く生成する依頼では、出力の使用量も費用に影響します。入力だけでなく、出力も合わせて見積もります。
キャッシュは、保存した入力を再利用する読み取りと、最初に保存する書き込みで課金されます。上記のStandard条件では、100万トークン当たり読み取り0.10ドル、書き込み2.50ドルです。
入力が272Kトークンを超える場合は、超えた部分だけでなく、依頼全体に長い入力向けの単価が適用されます。大量の資料を渡す仕事では、この条件が費用に影響します。
長い入力のStandard単価は、100万トークン当たり通常入力4ドル、出力15ドルです。キャッシュ読み取りは0.20ドル、書き込みは5ドルです。
処理方式によっても単価は変わります。Fast modeはStandardの2倍、BatchとFlexは半額です。対象となる地域処理には10%の追加料金がかかります。
APIの費用は、入力・キャッシュ・出力それぞれの使用量に単価を掛けた合計です。検索などのツール料金が別途かかる場合もあります。モデルを選ぶときは、単価だけでなく完成までの使用量も比べます。
どこで使える?提供先と対象プラン
GPT-6.1 Solは、OpenAIのAPI、Codex、ChatGPT Workで利用できます。ChatGPTアカウントで使う場合は定額プランの利用枠、APIキーで使う場合は従量課金が基本です。
CodexとChatGPT Workでの提供開始は2026年9月29日です。Workは仕事を任せる機能、Codexは開発を支援するツールです。通常のChatGPTのチャット画面では、このモデルを選べません。
Codexを使っていても、ChatGPTアカウントとAPIキーでは請求の仕組みが変わります。自社の契約に合う使い方を整理したい場合は、無料相談をご利用ください。
CodexはデスクトップアプリとCLIで利用できます。ChatGPT WorkはWebとモバイルでの提供が案内されています。EnterpriseとEduは管理者による有効化が必要です。FreeとGoは提供開始時の対象外です。
WorkとCodexは、定額プランの同じ利用枠を使います。利用枠の消費量は、使うモデル、資料の量、推論の強さ、ツールの利用によって変わります。利用枠を超えて使う場合の追加クレジットの条件は、契約で確認します。
このモデルにツールを呼び出させる場合は、開発者向けのResponses APIを使います。別の呼び出し方式であるChat Completionsは、ツールを呼び出さない利用に対応しています。
Responses APIのMulti-agentにも、ベータ版として対応しています。複数のAI担当へ調査・実装・レビューを分担し、結果をまとめる仕組みです。並行して処理する分、トークンの使用量も増えます。利用するアプリ側もMulti-agentに対応している必要があります。
GPT-6.1 Solの速度設定はStandardとFastから選べます。同モデルのUltrafast対応は今後予定されています。AstraのUltrafastはすでに提供されており、提供状況が異なります。画面に出るモデルや設定は、プランとアプリ、ワークスペースの設定で変わります。
同じCodexでも、使うアカウントによって課金方式が変わります。利用前に、モデルの提供条件と自分の契約を合わせて確かめます。
使った感想は?私の使用感と利用枠の目安
サブスクプランで使った私の印象では、Astraに近い仕上がりを得ながら利用枠の消費を抑えられました。ここでは公式の利用枠の目安と、Blender・PowerPointでの使用感を分けて紹介します。
OpenAIが示すPlusの目安は、Codexのローカルメッセージ数で5時間当たり新Solが15〜160回、Astraが5〜45回です。2026年10月5日時点の案内では、新Solの方が多く使える目安になっています。
これは固定の上限ではなく、作業内容によって変わる目安です。ローカルメッセージとクラウドでの作業は、同じ利用枠を共有します。週単位の制限が適用される場合もあります。
私はGPT-6.1 Solをサブスクプランで使っています。GPT-6 Astraより利用枠の消費がかなり少なく感じられ、複数の作業を同時に進める際も、枠の減りをあまり気にせず使えています。
BlenderのPython機能(bpy)を使った3D空間の構築では、GPT-5.6 Solより明確に仕上がりが良くなったと感じました。試した範囲では、Astraと遜色のない品質でした。
PowerPointの資料も、文章をもとに画像を作り、その画像の見た目をスライドで再現する手順で作成しました。こちらも、Astraを使ったときと遜色のない仕上がりでした。
まとめ:GPT-6.1 SolとAstraをどう使い分ける?
独自見解資料づくりや開発を繰り返す仕事で費用も重視するなら、GPT-6.1 Solがまず試す候補になります。最も難しい仕事にはAstraを選ぶのが、OpenAIの推奨する使い分けです。
費用を抑えたい仕事で新Solを試し、必要な品質に届くかを確かめます。難しい課題では、Astraでの成果も比べます。
- 選択 利用できるモデルを選ぶ GPT-6.1 Solを選び、利用するアプリの既定の推論の強さから始めます。
- 試行 普段の複雑な作業を渡す 使い慣れた資料と完成条件を渡して、いつもの仕事を依頼します。
- 比較 品質と費用を見比べる Astraにも同じ依頼をして、出来、費用(または利用枠の消費)、手直しの時間を比べます。
手直しの時間まで記録すると、APIの単価や利用枠だけでは見えない仕事の負担も比べられます。
OpenAIは、直しながら進める複雑な技術作業の目安にMediumを挙げています。仕上がりを重視する成果物づくりにはExtra highを挙げています。内容が食い違う資料をもとに判断する場合も、Extra highが目安です。APIの既定はmediumです。推論の強さを上げる価値があるかは、出来・待ち時間・使用量で比べます。
説明資料なら、数値や根拠が元の資料と合っているかで品質を比べます。Webサイトなら、必要な機能が動くかを確かめます。完成度が同じなら、手直しが少ない方が仕事の負担は軽くなります。
GPT-6.1 Solを選ぶ基準は、いつもの仕事で必要な品質を得られ、費用と手直しの負担を減らせるかです。
出典と調査方法
仕様・特徴・料金・提供条件の公式資料と、性能比較に用いた測定元の資料です。基本仕様とAPI料金の資料確認日は2026年10月1日です。性能比較とPlusの利用枠は2026年10月5日時点で確認しました。
- OpenAI|GPT-6.1 Solのモデル仕様 — モデルの位置付け、入出力、容量、推論の強さとAPIの利用条件。
- OpenAI|API料金 — 100万トークン当たりの単価と、入力長・処理モードによる課金条件。
- OpenAI|ChatGPTとCodexの変更履歴 — 2026年9月29日の新モデル提供と、その時点の利用条件。
- OpenAI|モデルの選び方 — 費用を重視する複雑な作業の例と、Astraとの使い分け。
- OpenAI|WorkとCodexのモデル・提供条件 — 提供開始時の対象プラン、提供先、管理者設定と用途の案内。
- OpenAI|ChatGPTプラン利用とAPIキー利用の料金 — ChatGPTプランの共有利用枠と、APIキー利用の従量課金の区分。
- OpenAI|旧GPT-6 Solのモデル仕様 — 旧Solの容量、推論の強さとキャッシュ入力の条件。
- OpenAI|GPT-6 Astraのモデル仕様 — 最も難しい作業向けというAstraの位置付けと基本仕様。
- OpenAI|GPT-6.1 Solの公式発表 — 開発、複雑なPDFの理解、複数手順の業務、画面操作と事実性の評価。
- OpenAI|複数のAI担当への並行分担 — GPT-6.1 SolのAPIベータ対応と、分担が役立つ場面・処理量の増加。
- OpenAI|仕事に合わせたモデルと推論の強さの選択 — GPT-6.1 SolのMedium、Extra highを選ぶ際の用途の目安。
- Artificial Analysis|新旧Solの性能・費用比較 — 同じ評価群による総合指数、1つの課題の費用、開発評価と科学計算コード評価。
- Artificial Analysis|SolとAstraの性能・費用比較 — max設定同士の総合指数と、評価課題の平均費用。
- Artificial Analysis|Claude Opus 5.5の測定 — Max, Default Fallback設定の総合指数と、1つの課題の費用。
- Artificial Analysis|Claude Fable 5.1の測定 — Max, Default Fallback設定の総合指数と、1つの課題の費用。
- Artificial Analysis|Grok 4.7の測定 — xhigh設定の総合指数と1つの課題の費用。
- Artificial Analysis|総合指数の測定方法 — 評価群の構成、測定対象と1つの課題の費用の算出方法。
PoCを「技術実験」で終わらせず、経営判断まで設計する。
対象業務の選定、現状値の計測、評価設計、ガバナンス、本番移行判定を一つの意思決定プロセスとして整理します。
