AI News Analysis · Vol.05

Gemini 3.7 Flashは何が変わった?性能・料金・企業導入

性能比較・思考トークン制御・料金を公式情報で整理

updated 2026.08.25
read 3 min
PoC データ基盤 生成AI活用
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五月女 裕太 ビジョン・コンサルティング
AI Center of Excellence 所属
AI コンサルタント

生成AIコンペ2年連続最優秀賞(日経・日刊工業新聞ほか掲載)/AWS Summit 2025事例ブース登壇/AWS主催生成AIセミナー2025 2度登壇など、業界トップを走るAIエキスパート。

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2026年8月19日の確認

Flash系列は速く返すことを優先します。思考予算(考える量の上限)を0にすると、応答までの待ちを最短にできます。

確認できたのは、発表日、提供経路、文脈長、思考予算の指定、開始時点の公表価格です。

実測と契約の最終解釈は、公式資料に無いため範囲外です。前者は自社で測り、後者は契約と法務で確定します。

読者が決めるのは、試作か本番か、思考予算の上限、最初に試す業務です。

Google「Introducing Gemini 3.7 Flash」

Gemini API Documentation「gemini-3.7-flash」

Google AI Studio「Pricing」

answer

Gemini 3.7 Flashは、旧3.6よりコーディング34.4%から43.6%、修正49.0%から65.3%へ伸びました。生成速度がこの系列の売りで、独立評価でも同価格帯の推論モデルより速いと報告されています。

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Gemini 3.7 Flashの性能、思考制御、料金を一度に確認する

利用環境の選び方、思考予算の上限の置き方、導入前に渡す確認票の確認先が分かります。

  • ハイブリッド推論
  • API料金
  • Vertex AI
  1. 思考トークン制御(Thinking Budget)の仕組みを知りたい
  2. 2026年末までの導入価格と、2027年以降の標準価格を確認したい
  3. 試作、本番、エージェントの利用環境を決めたい
01

Gemini 3.7 Flashは何が変わったか

旧3.6 Flashは速さ優先のFlash系列でした。3.7は公式比較の主要指標が伸び、Antigravity、AI Studio、Vertex AIで使えます。

Gemini 3.7 Flashは2026年8月13日に発表され、AntigravityやAI Studio、Vertex AIで提供中です。

三つの環境は役割が違います。AI Studioは、ブラウザで手早く試せる開発画面です。Vertex AIは、権限やデータ統制を効かせられるGoogle Cloudの企業向けAI基盤です。Antigravityは、AIに作業を任せて進めるエージェント開発環境です。

Flash系列は、速く返すことを優先した系列です。生成速度は、最初の文字までの待ちと、その後に文字が続く速さの二つです。

速さを活かすときは思考予算を0にします。公式は、これが待ちを最短にする指定だと書いています。

考える量を増やすと、答えの前に考える時間が入り、待ちは長くなります。秒数や毎秒の出力数は公式表に無いため、一業務で測ります。

Gemini 3.7 Flashの要点 図1
  1. 性能 コーディングと推論を強化 Flash系列の速い生成に、考える量を自分で決める操作が加わりました。公表値は旧3.6 Flashから上昇しています。
  2. 長さ 最大100万トークン 1,048,576トークンの文脈窓により、大規模コードや文書を一括処理できます。
  3. 提供先 用途で三つに分ける 目安は、試作がAI Studio、本番とデータ統制がVertex AI、エージェント開発がAntigravityです。
  4. API料金 導入価格は通常の半額 2026年12月31日まで、100万トークンあたり入力0.75ドル(※標準1.50ドルの半額)、出力3.75ドル(※標準7.50ドルの半額)です。
Flash系列の速い生成に、考える量を自分で決める操作が加わりました。

出典:Google公式発表「Introducing Gemini 3.7 Flash」およびGemini API公式ドキュメント。

02

性能はどこまで上がったか

Googleが掲載した公式比較では、Gemini 3.7 Flashは旧3.6 Flashより主要指標が向上しました。コーディングは34.4%から43.6%、修正は49.0%から65.3%へ伸びました。一方、Web開発のElo(対戦形式の得点)は1588対1538です。

指標は用途ごとに分かれます。コード生成はFrontierCode、修正はDeepSWEです。一方、画面づくりはWebDev Arena、長文PDFはGDP.pdfです。数字は同じ行の中で比べてください。

公式発表に掲載された性能比較 図2
評価指標Gemini 3.7 FlashGemini 3.6 Flash
コーディング|FrontierCode 1.1Gemini 3.7 Flash: 43.6%Gemini 3.6 Flash: 34.4%
ソフトウェア修正|DeepSWE v1.1Gemini 3.7 Flash: 65.3%Gemini 3.6 Flash: 49.0%
Web開発|WebDev ArenaGemini 3.7 Flash: 1588 EloGemini 3.6 Flash: 1538 Elo
文書理解|GDP.pdfGemini 3.7 Flash: 34.0%Gemini 3.6 Flash: 22.0%
数値はGoogle公式発表の掲載値です。一方、Web開発はEloのため、%の棒グラフとは尺度が違います。

各性能指標の数値をもとに、次のグラフでも示します。

コーディング・修正・文書理解の公表値 図3
指標Gemini 3.7 FlashGemini 3.6 Flash
コーディング43.634.4
ソフトウェア修正65.349
文書理解3422
コーディングは34.4%から43.6%、修正は49.0%から65.3%へ伸びました。一方、文書理解は34.0%で、まだ低い水準です。

公式の伸びは、同じ種類の自社作業を測るときの参考です。ただし、測定条件が自社と同一かは確認できないため、採用値そのものにはしません。

03

思考トークンの制御と料金はどう連動するか

独自見解

2026年12月31日までの導入価格は100万トークンあたり入力0.75ドル、出力3.75ドルです。ただし、考えるときに使った分も、答えと同じ単価で請求されるため、先に考える量の上限を置きます。試作にはAI Studio、本番の権限とデータ統制にはVertex AIを選びます。

2027年1月1日からの標準価格は、100万トークンあたり入力1.50ドル、出力7.50ドルです。

Vertex AIでは、顧客データをGoogleの基盤モデル学習に使いません。

0、512、8192は、API呼び出しでThinking Budget(思考予算)に指定する、公式の目安です。値を上げるほど思考が深くなり、応答は遅くなり、費用は思考の分だけ増えます。ただし社内の初期値そのものではないため、失敗コストと許容遅延に合わせて一業務で測ってから上限を置きます。

  1. 0は思考を止め、遅延を最小にします。定型の問い合わせ応答や分類など、即答で足りる業務向きです。
  2. 512以上は、公式が示す拡張推論の開始です。要約や資料の下書きなど、通常業務の試行の起点にします。遅延と費用の数値例は公式料金表に無いため、一業務のログで測ります。
  3. 8192以上は深い推論向けです。コード修正や契約文書の確認など、失敗コストが高い作業にだけ割り当てます。

月間の想定が無いときは、まず一業務を走らせ、ログのトークン数から上限を置きます。

04

企業はどう確認を進めればよいか

01 利用環境を一つ選ぶ、02 思考予算と費用上限を決める、03 一業務の成功条件と停止条件を先に決める、の三点で導入前確認を進めます。データガバナンスや詳細権限は別紙の詳細確認票で法務・セキュリティ担当へ引き継ぎます。

利用環境、思考予算、最初に試す業務の三点に、成功条件と停止条件を加えてから、契約とデータ利用の確認へ進みます。足りない項目があれば、先にそこを確認します。

導入判断を始める三つの手順 図4
  1. まず 利用環境を一つ選ぶ データの扱いが本番相当ならVertex AIを候補にします。Google Cloud契約が無いときは、本番データを入れずAI Studioで試作します。
  2. 次に 思考予算と費用上限を決める 一業務の試行ログでトークン数を測り、出力単価を掛けて費用上限を置きます。
  3. 最後に 一業務の成功条件と停止条件を先に決める 成功条件と停止条件を先に決めます。例は、作業時間の大幅短縮や重大な誤修正の抑止です。
三点は初期整理の見出しです。確認先と根拠は直後の確認票にあります。

次の五項目が、担当部署へ渡す確認観点です。各項目は確認観点、確認先、公式根拠の順です。依頼文の期限と判定基準は、社内書式に合わせて足してください。根拠の原文はVertex AI公式ドキュメントです。

  • 契約。確認先は調達・契約です。根拠は現行のGoogle Cloud契約とVertex AI公式ドキュメントです。
  • データ利用。確認先は法務です。根拠はVertex AI公式ドキュメントの、顧客データを学習に使わない記載です。
  • 暗号化。確認先はセキュリティです。根拠はVertex AI公式ドキュメントの顧客管理暗号鍵(CMEK)の記載です。
  • ネットワーク境界。確認先はセキュリティです。根拠はVertex AI公式ドキュメントのVPC Service Controlsの記載です。
  • 権限とログ。確認先は情報システムです。誰が呼べるかと、監査ログの置き場を社内で決めます。

本番データを使う前に、この確認票を契約とセキュリティの確認へ渡してください。

05

まとめ|まず一業務で試す

Gemini 3.7 Flashは、公式比較でコーディングと修正の公表値を伸ばし、考える量も自分で決められるようになりました。まず既存のGoogle Cloud契約でVertex AIを使えるか確認します。契約が無いときは、Vertex AIの権限とデータ統制が使えないため、試作だけAI Studioにします。思考予算の上限を設計し、一業務だけで試してください。

AI Studioはブラウザで試せる開発画面です。暗号鍵とネットワーク境界はVertex AIの機能のため、AI Studioでは使えません。

公開情報だけでは優劣を確定できないため、特定モデルの無条件推奨はしません。自社の条件に合うときだけ、一業務での試行に進みます。

本番データは、五項目の確認結果が返ってから使います。

06

出典と調査方法

Googleの公式公開資料を確認し、仕様、料金、利用環境を整理しました。

  1. Google「Introducing Gemini 3.7 Flash」 — 公式発表、ハイブリッド推論、提供概要
  2. Gemini API Documentation「gemini-3.7-flash」 — モデル仕様、文脈長100万トークン、Thinking Config
  3. Google AI Studio「Pricing」 — 導入プロモーション価格および標準価格
  4. Google Cloud「Vertex AI Gemini 3.7 Flash Documentation」 — エンタープライズ提供、データ非学習保証、セキュリティ仕様
  5. Google「Antigravity Platform Documentation」 — エージェント開発環境、IDE・CLI統合、自律実行仕様

料金は公表基本単価であり、為替、契約割引、再試行回数を含む総費用ではありません。

Vision Consulting

PoCを「技術実験」で終わらせず、経営判断まで設計する。

対象業務の選定、現状値の計測、評価設計、ガバナンス、本番移行判定を一つの意思決定プロセスとして整理します。

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